シュマーレンバッハの動態論


Prof. Dr. Eugen Schmalenbach(1873〜1955)、80歳の時の写真
神戸大学会計学研究室編『シュマーレンバッハ研究<復刻版>』中央経済社、 1980年/初版1954年より。

 シュマーレンバッハは著書『動的貸借対照表論』Dynamische Bilanz 初版1919年

で、貸借対照表の構造を期間損益計算との関係から理解する理論を提起した。動態

論、静態論の名称は彼の著書に由来する。



 いま、企業の開始から解散までの全ての収入と支出とを認識できると仮定すると



 全体収入−全体支出=全体利益



となる。また



 全体収益−全体費用=全体利益



でもある。



 しかし、会計は期間を区切って期間損益計算を行う。したがって、各期間では



 期間収益−期間費用=期間損益



という計算が行われるが、当期の期間収益と当期の収入とが、また当期の期間費用

と当期の支出とが一致せず時間的ズレが生ずる。この時間的ズレを調整し、当期と

次期以降の期間損益計算とを結びつける役割を果たすのが貸借対照表であるとの理

論を提起したのである。



 収入・支出と収益・費用との時間的ズレを表すために「未」という概念を用い、

時間的ズレのある項目を以下のように整理した。


 その結果、貸借対照表の内容は以下のように解釈される。たとえば、「支出・

未費用」は機械などの有形固定資産の未償却残高を意味する。