ここでは、ハイエク研究に関心のある方への情報提供の場として、ハイエクの著作についてのデーターベースを公開しています。まだ、未完成ですが徐々に拡充していく予定です。お気づきになった点や、新しい情報がありましたらご連絡いただければ幸いです。

  • 各分類は江頭の主観によるものです。分類上やや不適当なものもありますが、ご容赦ください。
  • 論文として公開されたものが、論文集などに再録された場合は、論文集の頭文字で記してあります。
  • 掲載の方針としては、日本に在住する研究者が、訪問、郵送依頼などで利用可能なもののうち、実際に入手できたものに限られています。

理論経済学 自由主義
貨幣 方法論
現状分析・経済政策 経済学史
全集 手紙
集産主義・理性主義批判 その他
認知心理学

論文集略号

CKC Contra Keynes and Cambridge MTTC Monetary Theory and Trade Cycle
CRS The Counter-Revolution of Science
EF Economic Freedom MCF Money, Capital and Fluctuations
GM Good Money NS New Studies in Philosophy, Politics and Economics
FL The Fortune of Liberalism SWE Socialism and War
IEO Individualism and Economic Order SPPE Studies in Philosophy, Politics and Economics
PII Profits, Interest and Investment-and Other Essays on the Theory of Industrial Fluctuations TET The Trend of Economic Thinking

入手先の略号は

京・経 京都大学経済学図書館 ウィーン大学経済学部図書館
京・農 京都大学農学部図書館 ザルツブルク大学経済学部図書館
小樽商科大学商学部図書館 スタンフォード大学フーバーインスティチュート
滋・経 滋賀大学経済学図書館 ケンブリッジ大学トリニティカレッジ・レンライブラリー
イリノイ大学商学部図書館 M マイクロフィルム
ケンブリッジ大学政治経済学部マーシャルライブラリー

  • 日本国内の図書館は、コピー送付依頼が可能(有料)。
  • アメリカ国内の大学もコピー依頼可能だが、フーバーインスティチュートには、制限事項が多々あるので注意のこと。
  • トリニティカレッジ・レンライブラリー所蔵のSraffa Papersのうち、Sraffaの直筆のものはコピー不可。ハイエクのものは可。

調査感想
ハイエクの遺品のうち、現在閲覧可能なものの多くは、スタンフォード大学フーバーインスティチュートと、ザルツブルク大学経済学部図書館に所蔵されています。スタンフォード大学のものは、主に手書き原稿や手紙の一部であり、ザルツブルク大学のものは、蔵書、新聞等の切り抜き、メモが中心です。ザルツブルク大学の多くは、1970年代後半にハイエクが売却したものと考えられています。ただし、スタンフォード大学は、コピーを年間100枚(申請を出せば200枚)までに限定しており、直接訪問してコピーするためにはやや非効率的です。ただし、手紙類が多く、また、学位論文(1923)やThe Pure Theory of Capital (1941?)の数学注、The Sensory Order (1920)の元論文など、学史的に見ればおもしろいものも多々含まれてい。ハイエクは、書籍に対して下線は引くのですが、書き込みはあまりしなかったようで、書き込みも速記で判別困難なものが多いようです。フライブルク大学の蔵書類は、ますケンブリッジ大学には、イギリス時代の手紙がいくつか残されており、Keynes Papersの中にも、一通ハイエクからの手紙が見られます。ハイエクは、ケンブリッジのPeterhouse Collegeに疎開していたことがありますが、論争相手と私的にはかなり親しかったことが伺えます。

今後、LSEの図書館(ロビンズ、ハイエク)、シカゴ大学(ハイエク)、オックスフォード大学(ヒックス)などにも調査の手を広げようと考えています。

ハイエク関係の版権はかなりややこしいと聞きましたが、版権が切れる今世紀中頃には、私も引退生活に入っていると思いますので、老後の時間を利用して、TEXTやPDFなどで、全文ダウンロードできるデータ・サーバーを構築できればと思っています。


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